鍼灸治療
当院では、腰痛および腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、神経痛、肩・首こり・頭痛、肩関節痛などの受診が多く、全身の運動器・神経疾患に治療を行っています。
更に胃腸の不調などの内科領域、不妊治療や生理不順などの婦人科領域、夜泣きなどの小児科領域、お顔の張り・表情の硬さなどの美容領域の症状にも、鍼灸治療は効果が期待できます。
疾患を問わず、不眠や精神的不安定状態の改善を求めて来院される方も増えています。
治療方法としては、気血が巡り鍼灸刺激の伝わるルートでもある「経絡」の病的状態を診断して経穴(ツボ)に浅い鍼を刺入し経絡を調整する「本治法」とトリガーポイントなど症状に応じたポイントを治療する「標治法」を併用した治療を行なっております。
関節の機能異常、または筋肉の疲労性の炎症を早く回復させ、筋・骨格・自律神経のバランスを改善させる目的で鍼灸を活用することを基本方針としております。
また医師による標準治療と鍼灸を併用することで、治療効果を高めることができると考えております。
大切なことは最初の段階で重大な病気が隠れていないかを慎重にスクリーニングし、医療との繋がりを持っておくということが重要であります。
ここで経絡とは何か?聞きなれない言葉だと思いますので、簡単に説明をします。
経絡は、上下に行き来する道と、左右に行き交う道の略称で、内部では臓腑に属し、
外部では体表に分布して、全身にくまなく網の目のように行き渡っている道なのです。
ここにでは、東洋医学で言う、生命活動の基本的要素である「気・血」が運ばれています。
この「気・血」の循環に滞りの無い状態が、健康なのです。
そしてこの経絡上で、体表に分布してきている「点」がよく言う「ツボ」なのです。
一般的のもので、全身に365穴あり、これらは主なものとしてある12の経絡の上にあります。
それぞれの流れは「肝・心・脾・肺・腎・心包」「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」という臓腑が割り当てられています。
患者さんの症状に応じて、どこに滞りがあるかを判断し、流れが悪くなっているところの経絡上のツボを選択して(これを取穴と言います)治療していくわけです。
鍼灸治療について
鍼灸治療は、万病の特効薬ではないことは明瞭である。
しかし、数多くの証拠は、鍼灸治療が相当の価値のある臨床療法として真剣に取りあげられなければならないことを、要求している。
R.H.バナマン Bannerman 「WORLD HEALTH」誌1979年12月号より一部転載
鍼灸治療は,病院や整骨院と共に法律に基づいた治療法で,国家試験免許となっています。
また鍼灸治療の保険取り扱いは,健康保険法の療養費払いですが,厚生省の保険通達によって運用されています。
若干の手数を踏みますが、鍼灸治療も保険診療が可能であるのです。
(これに関して詳しくは、後述いたします。)
“WHO(世界保健機構)”は鍼灸治療に関してこのように言っています。
『鍼灸治療(灸治療)の主要な作用は人体の機能を調整し、
人体のもつ免疫性、炎症治癒性、鎮痛性、鎮痙性、鎮ショック性、鎮麻痺性能力を高めることで人体の抵抗力を増大するにある。』
健康になるための治療の選択肢の中に,「鍼灸治療」をぜひとも入れていただきたいと思います。
鍼灸治療の保険取り扱い
「鍼灸治療を健康保険で受診できるか?」・・・ハイ、受診できます!!
健康保険証 有効に使いたいですよね! あまり知られてはいませんが、誰でも保険診療のひとつとして,鍼灸治療を選択できるんです。
○保険治療の内容と手続き○
1) 保険適応疾患:神経痛,頚腕症候群、五十肩、腰痛症、リウマチ、頚椎捻挫後遺症 、その他(医師が鍼灸治療を必要と認めた病気)
2) 必要条件:医療機関で前記の疾病に対し、鍼灸治療の同意或いは診断書を発行してもらう。同意書は保険取り扱いの鍼灸院に用意してあります。
3) 6ヵ月ごとの同意の確認
保険の取り扱いで注意することは、“同意書を取った同部位の医療機関での治療(湿布や痛み止めなどの服薬治療を含め)は同時に受けることができない”ということです。
つまり医療機関で神経痛の治療を受けながら,神経痛への鍼灸治療を保険を使って併用治療することは出来ないのです。
※しかしながらたとえば整形外科で神経痛の治療を受けながら、五十肩の治療の同意書を書いてもらい、鍼灸治療をすることはできる可能性はあります。
同意書は整形外科でなくとも何科の医師であっても有効ですが、かかりつけの先生にお願いするのが通常の流れかと思います。
このような感じの流れで、ちょっと手間はかかるかもしれませんが、いかがでしょう?!
一度同意を頂ければ、再同意の確認を6ヵ月ごとに取る限り、期間の制限はありません。
詳しくは鍼灸院に問い合わせてください。
初めて鍼灸治療を受ける方へ
◎ 鍼というと「とげが刺さっただけでも痛いのに,鍼を刺したらどんなに痛いんだろう??」,
「内臓にまで刺さっちゃうんじゃないかな??」なんてどんどん恐怖が膨らんじゃっている方が多いようですが,そんなことはありません!
実際の鍼治療はそんなに痛いものではないんですよ!
治療で使う鍼は、髪の毛ほどの太さで直径約0.2mm程度です。
蚊に刺されてもほとんどが気づきませんよね。
針先はこの蚊の針と同じように「松葉型」をしている為に、刺針時の痛みはほとんど感じないんですよ。
◎ 鍼で感染をすることはありません。
B型やC型の肝炎ウィルス、HIVウィルスなどの血液による感染、怖いですよね。
しかし鍼治療に使用する鍼は、患者さん一人一人にディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使用することで、
感染を完璧に防いでいます。
◎ 副作用は??
前述したWHOで言っているように,鍼治療は“本来、患者さんが持っている治癒能力を高める事によって
治療効果をあげる”わけですから、副作用というのはありません。
まれによく言われる“瞑眩(めんげん)”と言う状態がありますが、
これは一時的に体の代謝が高まって起こる反応ですから心配は要りません。
◎ よく聞かれるんですが「鍼をすると痩せますか?」と・・・
皆さんちょっと勘違いをしているようで,「耳鍼をして痩せる」などの記事が良く載っていますが、
これは鍼をするから痩せるのではないのです!
あくまでも“食事が少なくても満足できたり、食欲を少し我慢しやすくしたりする”助けをするのが鍼治療なのです。
つまり鍼をしていたら、ほっといても効果が出るかといったら、そんなことはありません。
同様に病気を治すという意識・努力を患者さんに持ってもらうことは、非常に重要な事だと思います。
体が悪くなっている原因を取り除かないで、いくら効果のある治療をしても、なかなか治すことは困難になってきます。
この辺のところを,理解していただき治療を受けられれば、びっくりするような効果が期待できることと思います。
少しは怖い気持ちが無くなりましたか?
後は鍼灸治療をぜひ経験してみてください!!